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▲花火インデックス



夜空にパット咲いては消えていく花火。消えるからこそ美しいとはいえ、自分でも写真に撮って見たいと思うのが人情。本当にキレイに撮るなら一眼レフが必要ですが、ココでは普通のデジカメでの簡単花火撮影方法をご紹介します。

■花火を撮る=長時間シャッターを開けっ放し撮影

花火を撮るということは、長時間シャッターを開けっ放しで撮るということ。これを理解しないと花火写真を撮影することは不可能。まず、このことを理解しましょう。その上で必要な設定や、コツをこれから伝授していきますので、参考にしてください。


■シャッター速度をうんと遅く

普通カメラ任せに花火を撮ろうとすると、「夜→暗い→フラッシュ発光」とカメラが自動的に判断してしまいます。この場合は、シャッタースピードも花火を撮るには早すぎて花火というよりも光の点としか写りません。そこでマニュアルでシャッター速度をうんと遅く設定する必要が出てきます。できれば4秒程度に設定すれば花火が光の軌跡として写るはずです。しかし、カメラによっては、シャッター速度のマニュアル設定ができない場合がありますが、そういった場合フラッシュ発光禁止にしましょう。


一応花火。シャッター速度早すぎ

■フラッシュじゃ写らない

そもそもフラッシュは暗いものに光を発射し、その反射してきた光を写真に撮るもの。だから、もともと明るく光っている花火に向かってフラッシュを焚いたところで何の意味もありません。右の写真はオートで撮影したためカメラが「夜→暗い→フラッシュ発光」と判断して自動でフラッシュを焚いてしまったものです。肝心の花火が写らず前の人の頭しか写っていない失敗例です。写真中央上にわずかに夜空に白く写っているのが花火です。この失敗を避けるためにフラッシュ発光禁止にすることで「夜→暗い→フラッシュ発光→でも発光禁止→シャッター速度を遅くしよう」とカメラが勝手に判断するのでフラッシュ禁止である程度の写真が撮れるはずです。


フラッシュ焚いても花火は写らない

■カメラを固定すべし

まず、デジカメと言えど長時間シャッターを開きっぱなしで撮影しなければならない花火には、三脚が必須。三脚を使わずに手持ちで撮影すると100%手ぶれします。そこでシャッターを開いている間、カメラを固定する三脚が必要になってくるのです。安いものなら2000円くらいで買えるので購入をお勧めします。どうしてもない場合、傘の先の部分の金具を取り外しそこにカメラを固定するという裏技もありますが、相当恥ずかしいのでおすすめできません。どうしてもという場合は、なるべくカメラを動かさないように息をとめてがっちり持って撮影してみましょう。また、三脚を使った場合でも手でシャッターボタンを押すとわずかに三脚ごとカメラが動いてしまうのでリモコンがあればリモコンを使って撮影してみるとブレのない写真が撮れます。セルフタイマーという手もありますがタイミングが難しいのが難点。


手持ちでぶれちゃった花火

■デジカメの弱点「ノイズ」

花火を撮影するために長時間シャッターを開けっ放しにするとデジカメの電気信号によりノイズが発生してしまうのがフィルムを使わないデジカメの弱点。光を感じて電気的に画像として保存しているデジカメ。本来なら真っ暗な場所は真っ暗に写らなければいけないのですが、常に微弱な電気が流れ続けているのでそれを光と勘違いして画像が荒れてしまうのです。最近のデジカメは改良されつつありますが、もし発生した場合はカメラの限界かも。試しに真っ暗な場所でフラッシュを焚かずに撮影してみると自分のカメラがノイズに弱いか分かります。ちなみにこのノイズはISO感度(※光を感じる感度)が高いと発生しやすいので低めに設定するといいでしょう。


黒いはずの夜空にブツブツのノイズ

■花火をバックに人も撮る場合

上でフラッシュを焚いてはいけないと書きましたが、人も一緒に撮りたい場合はこればかりではありません。花火を撮るために長時間シャッターを開き、人を撮るためにフラッシュを焚くという複合技が必要になってきます。なるべく長時間シャッターを開くようにカメラを設定し、なおかつフラッシュを焚いて撮影してみましょう。夜景モードがあるカメラの場合、夜景モードで撮影してみるといいでしょう。


■ピントは無限遠

普段日常でのピント合わせはカメラ任せのオートフォーカス(AF)を使って撮影する事が普通ですが、花火にピントを合わせる場合マニュアルで無限遠に設定する必要があります。花火は遠くで光るので手動で無限遠に設定してみましょう。


■ホワイトバランスを晴天に

デジカメにはホワイトバランスを調整し、自動的に白いものを白く撮ろうとするシステムが組み込まれています。電球の下でも白いお皿が白く取れるのはこのシステムのお陰。しかし、オートで撮影すると、この仕組みのお陰で花火の色がすべて白っぽく変色してしまう可能性も。そこでホワイトバランス(WB)を晴天に設定すると花火の自然な色が撮れるようになります。


■絞りはしぼる

花火は上がっている瞬間周りのものを明るく照らす程明るいものです。だから、マニュアルでシャッタースピードを遅く設定した場合、絞りを絞って撮影しないと白とびしてしまうので注意が必要です。


■まとめ

以上のポイントを押さえればデジカメでも結構撮れたりするもんです。長時間シャッターを開かなければならない夜景が花火と似ていますので自分のカメラでシャッター速度を遅くして練習してみるといいでしょう。また、デジタルのすぐ見れるという利点を利用して当日も設定を変えながら撮ればきっと素晴らしい花火の写真が撮れるはずです。皆さん、頑張って撮影に挑戦しましょう。